2020年11月11日、新型MacBookAirが発表されました。Macのために開発されたM1チップを搭載したこのMacBookAirと旧型MacBookAirを比較検証しながら記事を書いていきたいと思います。
そんなに高度なことをするつもりはなくてMacBookAirが気になっていたんだけど、買ってもいいの?待ったほうがいいの?
発売後の評価が非常に高くて、いまパソコンを買うならイチオシのPCです。
迷わずお勧めですが、なぜなのか?今何がおこっているのか、私なりの意見ですがお話しますね。最終判断はお任せしますが、旧型もまだ市場に在庫があり選択できる状態です。どうするか・・悩まれている方も多いと思いますので、一緒に検証してみましょう。
発売後の反応を見ると
新型MacBookAirは買いだ!
11月17日に新型Mac3種が発売され、続々とネットではコメントが上がっています。反応は本当に高評価で、大きなトラブルも今のところ報告されていません。
M1にまだ対応しきっていないソフトウェアもロゼッタ2のお陰で無事動いている模様です。ロゼッタ2を挟んだ状態でも、iMacやMacBookProのIntelモデルよりも処理能力が高いようで、出足は好調ですでに品薄状態に突入しています。
終了したMacBookAirはお得なの?
値段は下がっているの?
新型MacBookAirが発表されて、旧型が同時に廃番となりました。品薄気味だったMacBookProと違いMacBookAirは潤沢に在庫があり、販売しないといけませんが、価格の方は思ったほどは下がっていません。ただ本当に販売は進んでおらず、ネットでもタイムセールなどで値段を下げてどうにかして売り切りたいという印象です。
新型が高評価な為、旧型モデルが売れ残る可能性が非常に高くなってきました。動きが悪すぎると、さらに値段を下げて処分に入る可能性もありますが、それがいつなのかは不透明です。新型の在庫が不十分なこともあり、気づかずに古いモデルをお得と思って買う人もいるかもしれません。
<結論>価格差でいっても旧型がお得とは言えません。
新型MacBookAirがどう進化しているのか、ご紹介します。
何もかもがパワフルに進化した新型MacBookAir
M1チップ搭載MacBookAir
M1チップ
Apple製チップとしては最速のチップです。一世代前より約3.5倍高速です。
Macのための初めてのチップ、M1。5ナノという小さなサイズでパワフルかつ省電力なチップを搭載してきました。CPUやGPU、メモリーまでパソコンに必要な様々なシステムを1つのチップの上にのせています。160億個のトランジスタ。8コアCPU。8コアGPU。機械学習の要のNeutral Engineは16コア。最速といえるようなCPUでありながら、電力消費は10分の1。
それによって、MacBokAirは一世代前のモデルの4分の1の省電力で同じ仕事ができるのです。
処理能力のレベルは差がありすぎて・・知ってしまうと旧モデル販売できません・・。
旧型モデルと新型モデルの差はiPad8以下とMacBookPro16並みの差といえます。差がありすぎです。
シングルコア | マルチコア | |
M1 MacBookAir | 1687 | 7433 |
Intel MacBookAir (2020,core i3) | 847 | 1529 |
Intel MacBookAir (2020,core i5) | 1085 | 2802 |
Intel MacBookPro16 (2019, 2.4Ghz) | 1287 | 7424 |
iPadPro | 1124 | 4624 |
iPadAir4 | 1587 | 4248 |
iPad 8th | 1111 | 2419 |
MacOS Big Sur
「M1が新MacOS”Big Sur”の力を解き放つ」とAppleは発表しています。M1チップはBig Surと連携することでより高速に反応し、スリープ解除も一瞬になります。今までのMacのスリープ状態からの解除はiPhoneやiPadなどと比べれば決して速いという感覚ではありませんでした。それが一瞬になる。実際に、ちょっと画面を開くともうスリープ解除していて、あれスリープしていなかったのか?と錯覚するくらいです。
たくさんの写真を見る、ネットサーフィンをするそういった日々の作業もスピードアップします。(Wifi6も搭載しているので、より快適になりそうです)
また、iPhoneやiPadでお気に入りだったアプリがMac上で初めて動くようになります。(まだ対応アプリは少ないですが)
今まで使っていたソフトウェアもロゼッタ2の機能を使ってそのまま使えるというのも魅力的です。
これにより、Mac史上最多のアプリが使えるようになります。
カスタマイズで2TBSSD、16GBメモリー
カスタマイズによって、メモリを16GBまで、SSDは2TBまで増やすことができます。
メモリまでチップ上に載せてきた為、M1チップそのものが8GBメモリが載ったものと16GBメモリが載ったものの2種類があるようです。
MacBookAirの位置付けであれば、メモリは16GBまでで十分だと思われます。
iPhone・iPadで培われたNeural Engine
Neural EngineがM1チップによってMacに搭載され、Intel 1.2GHzのCorei7搭載MacBookAirと比較して、最大9倍速い機械学習を可能に。
ファンなし・省電力
MacBookAirはファンなし
Appleスペシャルイベントの中でも、M1チップ搭載によって省電力を謳っていました。そして、ファンも搭載していないので静か、本体も全く熱くならない・・と。
実際に1日展示で動いているMacBookAirは以前のモデルとくらべても夕方になってもあまり温度はあがっていません。ファン付きのM1搭載MacBookPro13の方はもっと温度が低いです。Intelの方はほんのりと温かいのでこの違いは明白ですよ。
バッテリーの持ちも最大18時間(AppleTVのムービー再生で)。今までより6時間ものびて学校などで使う分にはバッテリーもちを心配する必要はなさそうです。
最大18時間・・って、AppleWatchと同じなんですが、Appleさん
ディスプレイがMacBookPro並みに(輝度除く)
2,560 x 1,600ピクセル解像度でカラー数も25%向上。MacBookAirのディスプレイ性能も向上しました。
今までは、MacBookProのディスプレイとMacBookAirのディスプレイは差別化されていましたが、これにより、MacBookProとほぼ同等になりました。ただし輝度はPro500ニトに対して、Air400ニトと差があります。
カメラとマイクも向上
カメラとマイクの向上で「まるで目の前にいるかのよう」・・とAppleは表現しています。
内蔵マイクは3つ。スタジオ録音品質ということと、このマイク、ビームフォーミング機能ついています。
カメラには顔認識機能もあるので、M1に搭載されたNeural engineによって肌のトーンをより自然に見せてくれたりもします。
ネットワーク系も進化
WiFi6搭載
iPadProやiPadAir4、iPhoneには搭載されていたWiFi6がやっとMacノートに搭載されました。
Thunderbolt/USB4搭載
Thunderbolt/USB4で6Kディスプレイへの接続や充電、デバイスとの接続、最大40Gb/sのデータ転送が可能に。
2021年あたりから導入されてくると言われていたUSB4も搭載しました。
このあたりはネットでも色々実験されていましたが、実際のところはThunderbolt3規格までの対応のようです。Thunderbolt3対応のデバイスを選択するとMAXの性能で使えるそうです。
新型MacBookAirのベンチマークが公開されました
11月12日には定番のベンチマークテストアプリ「Geekbench5」のサービス上に新型Mac3種のベンチマークが投稿されました。
以下がその内容です。
基本周波数 | シングルコア | マルチコア | |
MacBookAir | 3.2GHz | 1687 | 7433 |
MacBookPro | 3.2GHz | 1714 | 6802 |
Mac mini | 3.04GHz | 1682 | 7097 |
基本周波数 | シングルコア | マルチコア | |
MacBookAir 1.1 Corei3 | 1.1GHz | 1000 | 2899 |
MacBookAir 1.1 Corei5 | 1.1GHz | 1174 | 3253 |
単純にベンチマークを比較しても、マルチコアなどは倍以上の性能に上がっているし、シングルコアでも1.7倍ぐらい上がっています。
MacBook Airのシングルコアと既存のAppleデバイスのシングルコアを比べた結果、Intel Core i9などに比べて、M1チップはシングルコア性能で群を抜いています。
マルチコアを比較した場合、2020年版のiMacのCorei7や2017年版iMacPro、2019年版Mac ProのXeonには性能が及んでいませんがMacBook Pro 16よりもマルチコアが上になっています。
ベンチマークの差はデスクトップのiMac21.5と比べても、MacBookAirの方が上で、値段は格段に安いです。
基本周波数 | シングルコア | マルチコア | |
iPadPro11(2020春) | 2.49GHz | 1117 | 4635 |
iPadAir4(2020秋) | 3.0GHz | 1583 | 4198 |
参考までにiPad系のベンチマークです。Intel MacBookAirにマルチコアなどは勝ってしまっています・・。iPadAir4に関しては、完全にIntel MacBookAir負けてますね。
※ベンチマークはテストしたデバイスの状況でどうしても同じテストアプリをつかっていても差がでます。その為、参考にした出典によってどうしてもある程度の差があります点はご容赦ください。
ベンチマークを見ると絶対新型MacBookAirだが・・
ベンチマークの差は非常に大きいです。躊躇なく新型!となりますが、実はInetelチップか?Appleシリコンか?という部分で色々憂慮しなければいけないことがあるのです。
新型はいいこと尽くめ。何も問題がないように見えます。
でも懸念を持って様子を見守っている人たちもいるのです。
新型MacBookAirへの懸念
アプリが正常に動くのか?
これが一番、みなさんが懸念している点です。
Appleシリコンになるということで、実はソフトウェア(アプリ)はそのままでは動かないのです。Appleシリコン用にプログラムを改変しなければいけません。IntelでもAppleでも動くように改変されたユニバーサルなアプリは発売当初はあまり多くありません。Adobeですら Lightroomを皮切りに来年から対応していく・という状況です。当面はAdobeもMicrosoftのofficeもエミュレーターとしての「Rosetta2」で翻訳してから使うようになります。そのため、初めてofficeを使う時とか、エミュレートする時間が必要なため、起動に20秒〜かかるとMicrosoftが公表していました。(ですが、一度エミュレートしてしまえば、次回からはすぐに起動します。)
この「Rosetta2」で翻訳して使う時期は、どうしてもM1が非常に優秀なチップだとしても、その性能を活かしきれません。つまりしばらくは、本体性能に対して、アプリ等が追いついてこない状況でのスタートになります。
どうしてもこのソフトを使いたい、今の環境下を崩したくない・・という方は、旧型MacBookAirの方がいいでしょうし、Mac OSも当面Big Surにはしない方がいいでしょう。
Big Sur にまだ対応していないソフトはまだある
今回11.13よりMacOSが10から11 Big Sur にバージョンアップしました。これは本当に大きな変更のため、現在Big Surに対応しきれていないソフトがかなりありました。
Big Surリリース直後は対応中だったセキュリティソフトメーカーも現在は問題なく使用できます。大手有名メーカー系はあまり心配することはないかと思います。
ですが、まだバグが報告されていたり不安定なアプリも存在しているのは事実です。ですが、日々改善されているためリリースから半年近くたった5月現在では、大きく心配することはいらなくなっているかと思います。
WindowsOSは使えません
Windowsに関しては、ブートキャンプでも仮想デスクトップでも使用できません。これはM1チップとIntelチップではアーキテクチャが違う為です。WindowsのARM版が個別販売されるようになれば使用できるようになると言われていますが、2021年5月現在ARM版Windowsは個別販売されていません。その為、Windowsアプリは使用できません。
ただ、Windowsソフトについては一部のアプリを使用して動作ができたといった報告もされていますので、そのうち使える方法が出てくるかもしれません。
具体的にこのソフトを使いたいとかなければ・・
具体的にこのアプリでないといけない・・とか、環境を壊したくない・・という方でなければ、新型MacBookAirはネットワークもWifi6対応ですし、(Intel搭載Macは全モデルはWiFi6非対応)ディスプレイも色数が増えてキレいです。
将来的にアプリなどは追いついてくるでしょうから、新型MacBookAirにチャレンジするというのもアリだと思います。
そう使いながら、時代が追いついてくるのを「待つ」といった発想です。
iPadPro 2018が出た時も
iPadProが今のようなUSBーCのコネクタでA12Xチップを載せて登場した時、やはりアプリの方がその性能を活かしきれていない印象でした。ですが、環境はどんどん整い、2年経った今は充実したラインナップになっています。
iPadとは比べれないほどのハードルではありますが、発売後にどんどん発表されるであろうOSのバグは急速に改良が進み、アプリ等も対応が進んでいくと思われます。
そううちエミュレーションのいらないアプリが増えれば、M1の性能は余すことなく発揮されてくることでしょう。
リスクをとりたくないなら
旧型MacBookAirでしょう。動作は保証されています。アプリも問題ありません。
出来ないのは困るという方は旧型をどうぞ。
また旧型MacBookAirは在庫限りですが、MacBookProにはまだIntelモデルが残されています。ただ、こちらは値段が税込だと20万超えてきます。Intel版の低価格のモデルが欲しい方は、お早めにどうぞ。
急ぎでない場合は待つという選択肢もあり?
傾向としてMacBookAirをご希望のお客様の場合、このアプリでなければ!というこだわりも少ない方が多いですし、基本的にライトユーザー。iPhoneとの互換性や利便性の方が重要といった方が多いので、この値段ですし新型でもいいのかな?と接客をしていて思いました。
それに本格的な他社のアプリも使う予定がない。という方が大半でした。
Apple製のソフトウェアを使う前提の方が多いので、あまり問題も起きにくいのかなって思われました。仮に起きたとしても、自社開発関連のものなので対応も早いと思われます。
そのため、買いだと思います。すでに十分な在庫がない品薄状況です。来春の新入学でも人気の機種だと思われ、3月にむけて待ち時間が延びていく可能性が高いです。お早めにご予約をおすすめします。
まとめ
新型は高性能で「買い」。お早めにご予約を。
今回のMacBookAirは、「買い」です。発売日以降の報告を見る上で大きなトラブルが聞かれません。性能が大きく進化した製品なので、わざわざ古いモデルを買う必要はないと思います。
企業とかお仕事で使っているなどで、どうしても環境的に不具合を起こしたら困るとか、このアプリが使えなかったら困るといった理由がなければ、新型でいいです。
最終的には、ご自身で判断してくださいね。
今回の新型Mac、かなり面白い製品で、久々にMacでワクワクしています。