2020年10月16日のAppleスペシャルイベントで、iPhone12・iPhone12mini・iPhone12Pro・iPhone12ProMaxが発表されました。
そのイベントで初めて紹介されたのが、ディスプレイに採用されたCeramic Shield 。iPhoneの画面強度が強くなるとのことですが、今回はこのCeramic ShieldについてAppleの発表を元に考察してみましょう。
今回、Appleの材料工学チームは画面を守るためにガラス技術で世界をリードするコーニング社と協力し新しい最先端の材料の研究を重ねた素材、Ceramic Shieldを採用しています。
Ceramic Shieldの強さをYoutuberが挑戦しています
iPhone12の発売と同時に、Ceramic Shieldについて続々世界のYoutuberが挑戦しています。
Ceramic Shield本当に強かったです。
手に持ってコンクリートの床に落としたぐらいでは、ディスプレイは割れたりしていません。
本体側面は落とした衝撃で傷ついたりちょっと凹んだりしていましたが、それぐらいでは背面ガラスも全面ガラスも割れませんでした。
何度も落下を繰り返して、ちょっとだけ傷がついていましたが、でも割れていません。
脚立に乗って3mを超えた高さから落下させると、背面ガラスが割れました。それでもディスプレイは割れていない・・。
今までの常識からは信じられない強度です。
他の海外からのYoutube動画では、機械を使って割ったものがありましたが、442ニュートンで割れてました。1ニュートンは約100gの負荷ということなので、44kgの負荷が画面に当たったら割れる・・。それほど割れにくくなったようです。
そもそもiPhoneのディスプレイって割れやすいの?
私自身は、自分のiPhoneには保護ケースと液晶保護フィルムを必ず使用してきました。そのおかげか、画面を割ったことも本体を傷をつけたこともありません。
ですが、来店されるお客様や周りの同僚を見てもガラスを割っている方、かなり多いです。
また、売り場に設置されているiPhoneなどもクリーニングしていると液晶の表面などに傷がついているものをみかけることがあります。
最近のiPhoneは背面もガラス加工されてるから・・
iPhoneXSとかiPhone11Proとか最近のiPhoneは(8以降)背面もガラス加工されているので、液晶は割れてないけど、本体背面のガラスにヒビが入ってる・・・という同僚もいます。このガラス加工によって、本体の巨大化に伴う曲げ問題は解決したんですが、新たに背面ガラスが割れると言う問題が発生しました。

仲間と飲んだ後の日、気がつくと割れてた・・・
かっこいいと思って、裸で使ってたんだけど・・すごくショック
iPhone7plusが発売された時、巨大化したiPhoneをお尻のポケットに入れたら本体が曲がった・・という話題がのぼりました。ネットでは実際になんとなく湾曲しているiPhone7plusの写真が次々とアップされました。結構力をいれれば手でも曲がる・・という話も。これは巨大化したPlusにだけ起こるようでiPhone7のサイズであれば問題は起きませんでした。
翌年、iPhone8以降は何と背面をガラス加工することでこの曲げ問題は解決をみました。Youtubeでも実際に曲がるかどうか比較した動画があがり、8からは曲げようがない!という結論に至ったのです。
割れたり傷つけたりしたくないからケースや保護フィルムが売られてるけど・・・でも、iPhoneにしてもiPadにしても、AppleWatchもMacも裸のままがかっこいいんですよね。
それは私もそう思います。でも、普段でもiPhone落としたり、iPadをちょっと机から落としたり・・ってあるので流石に裸で持ち歩くのは危険ということで、私は完全にケース&フィルム派です。
最近では、フィルムの代わりに画面にガラスコートをする有料サービスも見かけます。
iPhoneのデザインが割れやすさにつながってた?
iPhone12以前のiPhone11Proなどを側面から見ると、本体のステンレス部分よりもガラス面の方が上にあります。横や斜めからの衝撃にはガラス部分が当たって割れやすそうです。iPhone6以降から採用されたこの丸みをおびたデザインも割れやすさに影響を与えているといえそうです。
iPhoneのガラスって進化してきたの?
今回の4機種は全てCeramic Shieldとなっていますが、実は今までの製品でもAppleは液晶画面の強化について度々イベントで言及しています。しかし、それでもやはり割れています。
ただ、発表のたびに少しずつガラスの強度は進化させていっており、iPhone11Proでは全面ゴリラガラスまで進化させていました。
ですが、このゴリラガラスも強度の高い強化ガラスとはいえガラスはガラス。
特にAppleは本体の薄さとより綺麗な画像を追求するためにiPhoneではディスプレイとスクリーンを一体化させており、出来る限りガラスも薄くさせています。
そのためどうしても割れやすい。画面全体から落ちた場合はそうでもないのですが、iPhoneのデザインも原因して本体角から落ちた場合はどうしても割れやすいのです。
Ceramic Shieldを採用した
今回はガラスそのものを硬くするのではなく、その表面にセラミック技術で作られたセラミックガラスで作った割れにくいカバーをつけた・・というのがイメージ的に伝わりやすいかと思われます。

今回のポイントはセラミック!
セラミックと聞いて皆さんのイメージにあるのは、不透明なあのセラミックだと思いますが、セラミックは慎重な温度管理で加工すると透明なものを作り出す事ができるそうです。
それはちょうどガラスとセラミックの中間に位置するようなもので、ガラスのような透明度とセラミックの硬さをあわせ持ったような素材になります。
そして、その素材でiPhone用の薄いカバーを作り、前面にはめ、デザインも変更する事で以前のモデルよりも前面で4倍の強度を持たせることが出来たのです。
この技術は今までのサファイアガラスよりも何分の1かのコストで作る事ができ、耐粉砕性は今までの4倍向上するそうです。
1つ注意していただきたいのは、カバーをはめ込んだのは前面だけです。
背面は加工していません。ですが、Appleは今回iPhoneを新しくデザインし直す事で、背面のガラスの耐久性も2倍向上させています。
つまり今回のiPhone12シリーズの4機種はiPhone11Proと比較して、同じ有機ELのSuper Retina XDRを採用していても、前面は4倍の耐落下性能、背面は耐久性が2倍向上しているのです。

地味ですが結構身近にすごく嬉しい性能UPです。
ですが、あまりその部分に注目してる記事が少ないので今回取り上げてみました。
他のガラス素材
サファイアガラス(正式にはサファイアクリスタルガラス)とは、高級時計などに利用されており、硬度がサファイアと同等程度のガラスです。
硬くて美しいのですが、生成過程の難易度が高く非常に高価になるという難点があります。
強みは、高硬度である事。耐熱性が高い事。透過率が高い事です。
iPhone12などのカメラレンズ部分やAppleWatchの表面ガラス(アルミケースモデルを除く)にサファイアクリスタルガラスが採用されています。
Appleの言うCeramic Shieldとは
Appleでは、スペシャルイベントの際に以下のように説明しています。
『セラミックシールドはガラスを超えた素材、高温結晶化ステップを新たに加える事でガラス母材内のナノセラミック結晶を析出させ劇的に強度を高める事ができました。この材料の強度を高め、光学的に透明にするために結晶の形や結晶化の度合いを正確にコントロールしています。この画期的な方法でiPhoneのためのセラミックシールドが実現しました。
セラミックシールドは他のどのスマートフォンガラスよりも強度があります。そこへ新しいデザインによりiPhoneの耐久性が今までよりも更に高まりました。
耐落下性能は4倍改善。』
字幕翻訳をそのまま載せただけなので余計になんか難しそうなんですが・・。

今回のiPhoneは液晶面も本体も強度が高くなりました!って事です。
強度が高くなったけど、裸で持つのはやはり抵抗がありますが(長年の習性上)、丈夫になることはいい事ですよね。
今回のイベントでは他にも様ざまな新機能が発表されています。また、次の機会にご紹介いたします。
Ceramic shield は新しい素材
Apple公式サイトでは、次のように仕組みを説明しています。
“iPhoneはすでに、スマートフォンの中で最も頑丈なガラスを持っています。だから、iPhone 12 Proの耐久性を劇的に向上させるためには、まったく新しい素材を生み出す必要がありました。”
ナノスケール セラミッククリスタル
そこでCeramic Shieldの登場です。ほとんどの金属よりも硬い、ナノセラミッククリスタルをガラスに組み込んで作りました。簡単そうに聞こえるかもしれませんが、セラミックは透明ではないため、とても難しいプロセスです。私たちは、クリスタルの種類と結晶化の程度をコントロールすることで、高い透明度を維持しながら、セラミックの強度を最大限まで高める特別な調合法を開発。この画期的な手法により、ディスプレイに最適なCeramic Shieldが誕生しました。これまで、ほかのどんなスマートフォンにも使われていません。そして、どんなスマートフォンのガラスよりも頑丈です。
二重イオン交換プロセス
頑丈さは重要です。でも、傷に対する耐久性も同時に大切です。擦り傷、引っかき傷、日々の摩耗から守れるように、背面のガラスに使っている二重イオン交換プロセスを、前面にも採用しました。
4倍向上した耐落下性能
Ceramic Shieldのほかに、前面のカバーが頑丈になった理由がもう一つあります。それは、カバーとボディのエッジを同じ高さにしたこと。これにより、カバーがさらにしっかり守られます。すべての工夫を合わせたら、耐落下性能が4倍もアップ。前年のモデルとの比較では、iPhone史上最も大きく向上しました。
保護フィルムは必要なのか?(2020.10.24追記)
今回Ceramic ShieldをAppleが採用したことで液晶を保護する保護フィルムは必要なのか?という疑問がありました。
するとネットにこんな記事が載っていました。
「iPhone12のCeramic Shield、耐落下性能が4倍になっても傷はつく」ITmediaNEWSの2020年10月23日の記事です。
その記事によると割れるからという内容ではなく、最前面の耐指紋性撥油コーティングが剥がれる度合いが従来品と同じで、コーティング剥がれによる傷は発生するので、スクリーンプロテクターを貼りましょうといったことでした。
詳細は記事へのリンクを貼っておきますのでそちらを読んでください。記事

iPhone12シリーズが出揃って売り場での売れ行きを見ていると、Super Retina XDRディスプレイとこのCeramic Shieldを搭載したiPhone12本当によく売れています。
価格からSEを検討していた方も売り場で12miniなどを手に取って、その画面の美しさと強度が上がった点などを説明するとminiを購入する方が結構多いです。それぐらい今までにない魅力なんです。是非、売り場で見比べてみてくださいね。
2021年元旦から始めた音声配信によるAppleFUN(スタンドFM版)の番組です。ラジオっぽい番組づくりで、毎回Appleに関する情報を配信しています。Appleのサービスや製品のこと、好きなことなどを音声でお届けしています。
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