3月9日のApple発表会でMacStudioとStudio Display が発表されたのと同時にAppleではiMac27が販売終了となりました。
iMac27の新型を待っていたお客様がいたのに、じゃあ、何を提案したらいいんですか?
ということで、今回はiMac27そしてそれより前に販売終了しているiMacProに代わる製品提案について考察します♪
一体型のiMacは24インチのみに
今回の発表会で見えてきたのは、一体型のMacデスクトップはiMac24だけになり、それ以上のサイズは、ディスプレイとデスクトップPCをそれぞれ選択して組み合わせるスタイルへとAppleが舵を切ったということです。
ターゲットが明確に
ライトユーザー向けデスクトップはiMac24、1択に。
それ以外のユーザーには、各々の目的にあったディスプレイやPCをセットアップする。
一見、過去に回帰したかのような印象ですが、合理的。今までは、性能面や何かで不満があれば一体型なら、ディスプレイには不満がないけど処理能力が不満といった場合でも丸ごと交換(買い替え)となっていました。ですが、セパレートタイプだと気になる部分だけ交換していくということが可能になります。ディスプレイもアクセサリも本体も全てApple製品ということであれば、親和性も高いため、相性問題などで悩むこともありません。
このセパレート方式は、より幅広いユーザーニーズを拾い上げる事ができる手段といえます。
iMac27が無くなった・・
僕の新しいデスクトップはどうしたらいいの?
Intel版がまだ使いたかったんだけど・・
M1チップ程度でも十分で、M1 Maxとか・・必要ないんだよな・・
セパレートって何かと周辺機器を揃えないといけないんじゃ・・
売り場販売員には今まで以上に個々の詳しい商品知識が求められます
目的に応じたPC環境を整えたいユーザーにとって、どのPCをどのくらいの性能にするか?ディスプレイをどれにするか?キーボードやマウスは?選択の幅が増えた分、売り場販売員に商品選択の相談に乗ってもらいたい・・といった方も多くなります。
今まで以上に、商品ラインナップやCTO(カスタマイズモデル)への対応が重要になってきます。
ライトユーザーからこだわりのユーザーまで、対応出来るよう、まずは新しいセットアップ式に今回は慣れていきましょう。
Studio Displayが面白い そして要なんです
今回の発表会で発表された27インチ型液晶ディスプレイ、Studio Display。
このディスプレイがやはりiMac27やiMacProに代わるデスクトップ環境の要に位置しています。
27インチなら他に安いディスプレイがいっぱいあるじゃないか!と言われればそうなのですが、このStudio Displayは、iMac24に使われている技術をディスプレイに載せて、なおかつプラスでフロントカメラ部分にiPadで人気の「センターフレーム」機能を搭載して登場してきました。
iMac24よりも厚みのあるボディですが、驚いたのはそのスピーカー。
内蔵スピーカーがすごく良いんです。
ぜひ、お店で実機で視聴してみてください。
iMac24の機能や性能はいいんだけど、ディスプレイサイズが27くらいのものが欲しい・・と思っていたiMac27新型モデル待望者をすくい上げるディスプレイなのです。
デスクトップPCの不満点を解消させるディスプレイ
筆者は、現在iMac24を利用中ですが、それ以前はMac mini(2018)を利用していました。(その前は生粋のWindowsユーザーでした。本格的に使い始めたのはWindows95から。)
なぜ比較的年式の新しいMac miniからiMacに乗り換えたのか。
そうなんです、iMacを選択する理由というのは、そのディスプレイの美しさ、そしてカメラやマイク、スピーカーなどがすべて搭載されていること。Macとの連動や相性を気にしなくていいということなんです。
だから、今回のStudio Displayはそれを単独ディスプレイに載せてきた。プラス、フロントカメラはiMac24にはなかった「センターフレーム」機能をつけておきましたよ!ということになったのです。そして、とても評価が高いのが内蔵スピーカー。空間オーディオにも対応しています。
パソコンとしての性能は、このディスプレイにどのMacをつなげるかで、「おもいのまま」に。
今までは
Mac miniなどのデスクトップを購入する際は、「ディスプレイ」をどれにするか。「マイク」や「スピーカー」、「カメラ」はどうするか、「キーボード」や「マウス」は・・。といった具合に、それぞれバラバラに検討する必要性がありました。
お店でも、選んだディスプレイや持っているディスプレイとの相性がイマイチだから・・といった事で対応に苦慮したこともありました。
そして、そうやって選択して組んだ場合も、起動時のタイムラグや個々の設定などが必要だったり、なかなか満足した環境にならないといったことがありました。マウスやキーボードも起動時などに認識のズレがおこることもしょっちゅうでした。
Studio Displayを用意すれば、Macとの相性はバッチリ。キーボードとマウスさえ用意すれば、あとは悩む必要はありません。
iMac27の代わりはこの組み合わせだ!
「iMac27」に代わる組み合わせは、
「Studio Display」+「Mac mini」
か
「Studio Display」+「Mac Studio」
ちなみに「iMacPro」に代わる組合わせは、
「Studio Display」+「Mac Studio」
ということになります。
何を求めるか!
1からディスプレイもPCの本体も、キーボード・マウスも揃えるとなると、今回の組み合わせはそこそこの金額になります。
M1スペックでほぼ30万円台から。M1Maxであれば50万円台。M1Ultraであれば80万円台からといったイメージです。
ですが、今までのセパレートタイプのPC構成とちがって、Studio Displayが登場したことで、カメラやマイク、スピーカーの心配はしなくてもいいといった点が魅力的です。そのどれもが高性能なものだからです。
また、一度揃えてしまえば、不満を感じる部分だけを交換していく事でコストダウンできます。
そもそもライトユーザーはiMac24がちょうどいいし、M1は高性能なのでほとんどの一般ユーザーはiMac24で拾いきれると思われます。
それからはみ出してしまうユーザーをAppleはガッチリと拾い上げてくれる。そんな印象を持ちました。
Macで本格的にゲームをするという人はいないかと思いますから、ディスプレイ性能もこのクラスが普通かなと思います。欲をだせば、リフレッシュレートを120Hzぐらいはほしかったのですが、なんとMacの出力側が120Hzに対応していないのです。MacBookPro14や16では可変式リフレッシュレート120に対応しているわけですから、このあたりは改善してもらいたいところですね。
私のようにブログなどを作成していると、スクロールしながら記事を読んだり、探したりということが結構あるので、iPadProやiPhone13Proの120Hzに慣れている身としてはMacの60Hzが最近は気になりだしました。
Mac miniもMac Studioも複数モニタに対応しているので(Mac miniだとThunderbolt経由で最大6K解像度、60HzのディスプレイとHDMI経由で最大4K、60Hzのディスプレイ1台に対応)(Mac Studioだと最大5台のディスプレイをサポートしている)、ディスプレイを並べて作業というのも可能になります。
2023年2月3日にMac miniの新型モデルが登場しました。チップがM2モデルとM2 Proモデルとあり、M2 ProモデルではHDMI対応ディスプレイで最大8K解像度、60Hzのディスプレイ1台または4K解像度、240Hzのディスプレイ1台に対応しました。
一般的なオフィスワーク等ならM1やM2で
M1チップ搭載のMac miniとの組み合わせが一般的なオフィスワークやたまに動画編集などもしますといった場合にはおすすめです。
M1は本当に高性能なチップで、簡単な4K動画編集ならできてしまいます。
M1はMac用Appleシリコンの初代ではありますが、性能は相当高く、書類作成も動画編集も、楽曲作成、プログラミングと難なくこなしてしまいます。筆者程度の使用内容だと、チップはあぐらをかいている状態です。
ただ、より早い処理能力を求める人なら、M1 Maxのチップが選択できるMacStudioも選択肢に入ってくるでしょう。
このM1とM1 ProやM1 Max、M1 Ultraは簡単な作業では、体感レベルでの処理能力の違いを実感できることは少ないと思われます。
ですが、より高度な作業になるとその違いは明白になっていきます。
高いリフレッシュレートのディスプレイで作業したいならM2 Pro
2023年2月に登場したMac mini(2023)のM2Pro搭載モデルでは、ディスプレイのサポート内容が大幅にUPしました。
最大3台のディスプレイを同時にサポート出来たり、HDMI対応ディスプレイへのビデオ出力であれば、今までのM1シリーズ以前やM2までではサポートされていなかった最大8K、60Hzのディスプレイや4K、240Hzのディスプレイへの出力が可能になりました。
ディスプレイ枚数が最も多く増やせるのはMac Studio
4K、60Hzまでのディスプレイへのビデオ出力であれば、Mac Studioでは最大5台のディスプレイを同時サポート。
動画編集・楽曲作成・プログラミングならM1 Max
一般的なYoutuberでもM1 Maxあたりで必要十分な性能だと思われます。Youtuberの中でも「使いこなせない。オーバースペックだった。」といった方がいらっしゃるほど高性能なレベルです。
より高度な3Dモデリング・動画編集・プログラミングにM1 Ultra
モンスター級のチップを必要とする作業をしていない筆者でも、今回のM1 Ultraがどんなチップなのか体感してみたい・・という思いはありますが、それを必要とする作業をこの方したことがありません・・。
ゲームクリエイターや8K動画を編集するようなクリエイター、3Dモデリング・・、その分野のクリエイターには面白くて仕方がないマシンだと思われます。
2022年春時点での気になる点
Studio Displayのフロントカメラ画質問題
Studio Displayのスピーカー音質は内蔵スピーカーとしては感動レベルに良いのですが、センターフレーム対応の「フロントカメラの画質が悪い」とネットでも現在騒がれています。
Appleはファームウェアのアップデートなどで対処すると発表していますが、中にはハードウェア技術レベルでの問題だとネット記事も出ている状況です。
実際にYoutubeなどでの比較映像などを見比べても、店舗で実機で見ても、フロントカメラの画質はiPadProやiMac24などと比べて良いとは感じられません。
今後ソフト面のアップデートで改善されるのかされないのか・・が気になるところです。
2022年秋、AppleはmacOS Ventura13で「連係カメラ」、iPhoneをMacのウェブカメラとして使うことにより、スタジオ照明、ポートレートモード、センターフレームなどの素晴らしい機能がMacでも利用することができるようにしました。
いいカメラはiPhoneについてるから、そっちを使えば良いよね。的な裏ワザを繰り出してきた為、いつの間にかフロントカメラ画質問題は話題に上らなくなってしまいました。
Studio Displayに接続できるMacは1台だけ
Studio Displayには背面にUSB-C端子が3つとThunderbolt3端子が1つありますが、MacやiPadとの入力接続はこのThunderbolt1つのみになります。
複数のMacと切り替えて使えるそんな機能があればよかったのに・・と、思っています。
次は Mac Proか?
Mac Ultraまでで足りないこと
今回、MacUltraはモンスター級のチップとして登場しました。その触れ込みの中で、Appleは8K動画の編集にも触れていました。8K動画の編集が出来る・・そんな未来が近づきつつあることを予感させてくれました。
すると、気になってくるのは、チップ性能としては8K動画の編集が出来るのに・・、ディスプレイサポートとして現在6K出力までしかない・・。ということと、リフレッシュレートが60Hzまでということです。
iPadProからiPhone、MacBookProとProMotion120Hzのディスプレイに慣れてくると、Macの60Hzのリフレッシュレートは文字をスクロールして読んだりするのが辛いと感じます。ゲームをしなくても、リフレッシュレートが高い方が目には楽ですし、可能であればもっともっとリフレッシュレートを高くしていただければ、流し読みがもっと楽になるのに・・とすら望んでしまいます。iPhone13Proで可能になった可変式リフレッシュレートを是非、デスクトップのMacでも実現して欲しいと思います。
まだまだ、8K動画編集が普通になるタイミングではありませんが、Youtubeでも4Kでの編集が当たり前になりつつある現在。となると、次に出てくるのは・・8Kのマシーン。
8K出力可能な新型MacProと8K表示可能な新型Display(Pro Display XDRの後継?)が登場してきてもおかしくない・・気がしています。
MacPro(2nd、2013) <バズーカー砲>、MacPro(3rd、2019)<おろし金>とMacProのモデル変更の期間は他のMac製品と比べると長い。
今回は、IntelからM1系への変更ということもありますが、4年後5年後を視野に入れての製品づくりとなると、8Kも視野に入れてくるのでは?と勝手に想像しています。
上記の問題は2023年2月に登場したM2 Pro/M2 Maxチップで1年かからずに解決してしまいました。
今回発売されたStudio DisplayもDisplay内部にA13チップが組み込まれています。このあたりも、今後アップデートによって進化していく何かが組み込まれているのではないかと、勘ぐってしまうところです。
20万のディスプレイがどんな未来を届けてくれるのか・・。今から楽しみで仕方がありません。
次はどんなMacが登場するのでしょうか。