今回は、「iPadはパソコンの代わりになるのか?」をテーマに記事を書きたいと思います。本日、仕事中に実に何組ものお客様に聞かれたんです。
iPadってパソコン代わりになるの?
これって困るんですよね。パソコンって何?って定義しないといけないし・・
ということで、今回はそんな疑問を持つ方にお届けしたいと思います。
みんなが言うパソコンって何?
パソコンの代わりになる?と聞かれて一番戸惑うのは、「その質問者さんのイメージするパソコンって何?」ってところなんです。多分、Windowsパソコンのことだろうな〜って想像してるんですが・・
お客様のイメージしている「パソコンのかわりになる?」はそのお客様がパソコンで何をしているのか?それをiPadで代用できるのか?という事を尋ねられているという事になります。
お客様はパソコンで何をしたいと考えていらっしゃいますか?
と、聞いてみるしかありません。
WindowsとかMacとか・・
Windowsパソコンの代わりになるか?Macパソコンの代わりになるか?と聞かれると、全く違うもの・・と答えるしかないんですが、お客様のイメージしているパソコンとは何か?を聞いてみないといけませんよね?
こんなことがやりたくて、それはiPadでも出来ますか?と置き換える方が話が進めやすいかもしれません。
ちなみにパソコンであれタブレットであれスマホであれ、基本ソフトウェア(OS)によって本体の制御やアプリを使えるようにしています。
パソコンのOSには、WindowsとかMac、他にもLinuxなどがあります。タブレットだとAndroidやiPadOS、Windowsで動くものがあります。スマホだと、AndroidとiOSですね。
Windowsが入ったタブレット(Surfaceなど)は、OSがWindowsなので形状はタブレット型ですが、中身はパソコン用OSなので、パソコンです。
AppleはパソコンではMacOSをタブレット(iPad)ではiPadOSを使用しており、OSから別々のものなので別物といえます。
このOSが何なのかというのが重要で、そのOSによって何が出来るか・・どんなアプリが使えるか・・が決まるわけです。
Windows用のアプリはMacやiPadOS、Android、iOS上では動きません。同じようにiOSのアプリはAndroidやMac、Windowsなどでは使えません。
でも、WordとかWindowsでもMacでもiPadでも使えてるのを見たことがあるよ
アプリの製作者が、そのアプリのWindows版、Mac版、iPadOS版と言ったように、違うOS用にそれぞれアプリを作っているから使えているんです。
そのため、自分の使いたいアプリがどのOSで動くのか?と言った確認が必要になります。
また名称だけは同じアプリでも、その仕様がOSによって微妙に違っていたりします。
あなたはパソコンで何をしていますか?
パソコンで何をしているか・・で、その人にとってのパソコン代わりになるかどうかがわかる
パソコンで何をされていますか?
もしくはどんな事をしたいとイメージされていますか?
普段ネットの閲覧とかメール、Youtubeをみたりとか、そのぐらいしかしてないんです。
書類?書類は作ることもないですね。最近、Zoomを使う機会がちょっとあって、今持ってるパソコンじゃ厳しくてスマホでしてるんですが、もうちょっと画面が大きいといいなって。予算もあまりないんだけど・・そういうことができるパソコンを探してるんですよ。
なんて、具体的に話していただけると・・、
それだったら、iPadなどのタブレットの方が予算も下げやすいし、目的にあってるかもしれませんよ。
ネット検索や動画鑑賞なら
今までネット検索とか動画を見る程度でパソコンを使っていた。という方なら、タブレットやスマホでも十分出来ることになります。むしろ利便性・機動力で言うとパソコンよりいいかもしれません。
スマホの画面では小さいからパソコンを・・という方もいらっしゃいます。そう言う方には、タブレットをご紹介することも多いです。
年配の方に多い気がします。パソコンが古くなったので買い替えを検討してたけど、パソコンも高いし、大したことしてないから・・と相談される方。
操作方法は違いますが、ネット検索と動画鑑賞程度なら、タブレットが手軽だと思います。
書類を作るのは?年賀状を作るのは?
書類を作るのはキーボードやマウスを使ってパソコンでする方が楽ですし、またMicrosoftのWordやExcelはタブレット用には買い切り版がないというデメリットがあります。毎年更新料のかかるサブスクリプション版(Microsoft365)を購入する必要があります。このMicrosoft365は、Windowsパソコンではフル機能で使えるのですが、MacやiPad系では使えるソフトや一部機能がWindowsよりは少なくなっています。
ただ、iPad系では書類が作れないのか?となると、作れます。私もNumbersやKeynote、Pagesなどを使ってiPadで書類を作っています。
ですので、慣れという部分もあるかと思います。また、最近はiPadでキーボードが使えたり、iOS13以降でマウスも使えるようになりました。(対応しないものもあるので購入時には要確認)そう考えると、随分パソコンとの境界線はなくなってきたように思います。
年賀状もiPhoneやiPadで作れるアプリなども増えてきているので作れます。ただ、Windowsパソコンで作る年賀状ソフトや素材集を買ってきてもWindowsパソコンでなければ使えません。最近では、スマホやタブレットでも使える年賀状素材集なども売られていたりするので、確認さえすれば作れるようになっています。もちろん、スマホやタブレットから印刷ができるプリンタがあれば、年賀状印刷もできます。
プログラミングとか、細かい動画編集とか画像編集とか・・
プログラミングは基本パソコンでないと出来ません。
動画編集もタブレットやスマホでできるアプリもあるので簡単な事は出来てしまいますが、より高度で細かい編集となるとやはりパソコンの方がアプリも充実していますし、パワフルな作業をこなす機種が多数存在します。画像編集もプロ用のソフトとなるとやはりパソコンに軍配が上がります。(ただし、こういった作業をするには一定スペック以上の性能が必要になります。低スペックパソコンでは出来ません)
ですが、iPadPro特に2021年に登場したM1チップ搭載モデルではiPad用に移植されたAdobeのPhotoshopやLightroom、Illustratorなども難なく使えて、ミドルクラス以下のパソコンでは出来ない作業も出来ます。2022年にはiPadAir第5世代にもM1チップが搭載されました。
iPad用に高度なアプリがどんどん移植されてくれば、これらの作業もパソコンとの境界線が無くなってきそうです。
写真などの効果(エフェクト)でいうと、スマホ用アプリなどに面白いものがたくさんあります。
場合によっては、スマホで色々エフェクトをかけてから、タブレットやパソコンでさらに仕上げていく・・といったシームレスな使い方がAppleの世界では簡単に出来るため、支持される理由にもなっています。
Webデザインとかクリエイティブな作業をこなす
こちらもタブレットで出来なくもない部分がありますが、やはり作業となるとパソコンの大きな画面の方がしやすいですし、ソフトも充実しています。
デザイン的な部分だと液晶タブレット代わりにiPadProなどを使う方が使いやすいので、作業内容によってパソコン向き、タブレット向きとにわかれるかと思います。
そのため、MacとiPadを一緒に使っている人も多くなります。
なかにはiPadProなどだけで全ての作業をしてしまう人もいます。絶対パソコンがないと出来ない・・というわけでもないです。M1搭載Macなども発売されて、4K動画編集が11万円台(税込)のMacBookAirでも出来るようになっているので、何に使うのか?を整理した上で、検討することをお勧めします。iPadProやiPadAir5もM1を搭載してきたので益々性能での境界はなくなってきています。
CDやDVDを使う
これはパソコンの分野です。WindowsやMacで使えるCD/DVDドライブは沢山売られています。そして、このパソコン用のCD/DVDドライブはiPhoneやiPadでは使えません。変換アダプタで形状を換えても認識しません。
どうしてもパソコンがなくて、タブレットやスマホにCDを取り込んだりしたい・・という場合は、AndroidやiOSで使えるスマホやタブレット用のCD・DVDドライブがアプリ込で売られていますので、そちらをご購入ください。(CDレコなどが有名です)
時代の変化に伴い、音楽や動画もサブスクリプション時代になり、CD・DVDの利用が減ってきています。パソコンも非搭載モデルが大半になりました。
写真を整理したり、データを保存したり
最近はiPadOSやiOSのアップグレードでファイル管理が出来るようになったのである程度は工夫すればできるようになりましたが、やはりパソコンほど簡単にデータ整理や管理が出来るのか?といえばまだ出来ません。
この辺りも境界線がなくなりつつありますが、やはり気軽にデータを扱うのはパソコンの方が扱いやすいです。
iPadの方が使いやすい作業は?
絵を描いたり、ノートを取ったり
やはりApplePencilの存在は大きいです。液晶タブレットになるわけですから、直に書き込めるのは本当にありがたいです。また、iPadOS14から書き込んだ文字を活字化してくれる機能も加わってますますノートが便利になっていっています(iOS15からは日本語も対応しました)。
写真などに写り込んだ余分なものとかを修正したりするのも、私はiPadとApplePencilで作業しています。
持ち運んで、資料を見せる
資料作成はパソコンでするにしても、その資料を持ち運んでお客様とかにお見せする・・。これはiPadが得意とする分野です。そして、pencilでその資料に書き込みをしたり、書類にサインをいただく・・なんてこともできます。
これはiPadが得意とするジャンルです。
電子書籍とか動画をみる、写真を見せる
電子書籍もタブレットが得意とする分野ですね。暗くてもタブレットは液晶なので明るいですから、タブレットで本を読むようになると、紙のものより見やすくなります。
ただ、やはり紙の本は紙の本の良さというものもあるので捨てがたいです。しかし、気軽にちょっと読みたい・・と言った内容だと電子書籍かな・・って思っています。
動画を見るのもの、ソファで寝転んでとか、好きな体勢でどこでも見れるというのがいいです。パソコンより利便性がいいですよね。
撮った写真を一覧にしてパパッとみせたり、大きな画面に映し出してお見せする。これも機動性の良いタブレットが得意とする分野です。
ネット閲覧
どこでも気軽に、そして画面が大きいので見えやすい・・。これもタブレットの得意分野。スマホも手軽でいいんですが、画面が小さいので、パソコン画面に近いスタイルで見れる・・それがタブレットの良さですね。
キッチンとかでレシピを見る
パソコンをキッチンに持ち込んで・・というのは手間ですし、場所をとります。その点タブレットなら、大きい画面でお好きな形で見ることができます。
iPadが苦手としている事は?
アカウント切り替えが出来ない
iPhoneやiPadはアカウントを切り替えて使うことができません。MacOS搭載のMacPCの場合は、アカウントを切り替えて使うことができるので、1台のパソコンを家族で使い分けることができます。
アカウントが切り替えれないということは、ご自分のiPhoneやiPadを家族に使わせるときは個人的な情報が見られてしまうということにもなります。それは避けたいし1人1台ではなく家族みんなで使いたいと言った場合はパソコンが向いているということになります。
ただ2020年に入り、ビジネス利用で1台のiPadをユーザー切り替えして最大10人で使い分けることができるような仕組みが出来てきました。これが教育現場とかでも使えるようになると、1台のiPadを複数人で使い分けることもできるようになるのでその辺りの仕組みももっと簡単に出来るようになると嬉しいですね。
周辺機器との関係
iPadがというよりAppleが・・と言ってもいいですが、周辺機器を物理的にケーブルなどでつなげる・・という発想がどんどん無くなっていっています。
WindowsやAndroidの場合は、まだまだ物理的につなげることを前提にしている部分もあり、そこで悩まれる方が多い印象です。
USBメモリーを使いたい場合も、変換アダプタを間違って買うと、認識しませんし、外付けHDDとかSSDもフォーマットが違えば認識しませんから、Macパソコンでフォーマットしないといけない・・とか、iPadやiPhoneだけしか持っていない・・という人には色々難しいところがあります。
その分、iCloudとかAirDropとか、Appleのサービスを普通に使えば苦労はしないようになっているんですけど、Appleの考えてる利便性と逆行した発想(Windows的発想)でどうにかしよう・・と考えるとお金も使うし苦労も半端ではありません。
まとめ
iPadはパソコンではありません。Apple的にはApple製品はコンピュータと呼んでほしいようです。
その人のパソコンの使い方によってはパソコンの代用がききますが向き不向きはあるといえます。パソコンにしかできない事やパソコンが向いている事をする場合は代用できなかったり、代用するには創意工夫が必要だったりします。
ただ、パソコンでやってた内容によってはその程度ならiPadで十分という事もあります。
なので何がやりたいのかでパソコンがいるのか、それともiPadでいいのかが分かれると思います。
個人的にはパソコンがなくても高性能なiPadProなどでは、キーボードなどを取り付けるとパソコン代わりになると思ってはいます。
ただ、売り場でパソコンがわりに・・というお客様に対しては、使う用途を伺ってどちらがいいかご提案しています。
私自身もブログなどの作成は、パソコンですることの方が多いです。
ただ、一度作ってしまってちょっと記事を手直しするとかならiPadProでサクサク作業できています。持ち運び用のノートPC代わりでサブ端末として使っているといった感じです。イラストを描いたり、写真の修正は逆にiPadProの方が楽なので、そちらを使っています。結局、今のところどっちも使い分けしながら使っている状況です。
パソコンじゃないと出来ない事、パソコンでなくても出来る事
パソコン Windows or Mac | タブレット iPad系 | スマホ iPhone系 | |
ネット検索・閲覧 | ◎ | ◎ | ◎ 字は小さいけど 利便性がいい |
動画鑑賞 | ○ 利便性が低い | ◎ 利便性が高い | ○ 画面が小さい |
動画撮影 | × | △ カメラ機能はスマホより低い | ◎ カメラ機能が優秀 |
動画編集 | ◎ 高機能なモデルなら 高度な編集作業が出来る | ○ iPadProなら 動画編集作業もできる | △ 簡単な編集作業 ならできる |
写真編集 | ◎ 高機能なモデルなら 複雑な編集作業が出来る | ○ iPadPro・iPadAir5なら プロ仕様ソフトも使える | ○ 簡単な編集なら豊富な エフェクトアプリがある |
写真撮影 | × カメラはない | △ カメラの機能はスマホより低い | ◎ カメラ機能が優秀 |
写真鑑賞 | ○ 鑑賞にはいいが 持ち運びなどは落ちる | ◎ 利便性も高い | ○ 画面小さいが 利便性は高い |
プログラミング | ◎ | △ iPadOS15から 一部出来るようになる | × |
書類(ワード・エクセル等) | ◎ | ○ 機能がパソコンより減る | × 書類作成むかない |
年賀状 | ◎ ソフトも素材も豊富 昔ながらの操作性 | ○ タブレット用 年賀状アプリ使用 | ○ スマホ用年賀状 アプリ使用 |
CD/DVD読み書き | △ 最近はドライブがない モデルが中心 | × 対応した機材を 別に買う必要あり | × 対応した機材を 別に買う必要あり |
複数人で使い分ける | ◎ アカウントが分けれる | × 一人一台 | × 一人一台 |
ゲーム | ○ ゲーミングPCなら 高度なPCゲームが出来る | ○ タブレット用 ゲームが出来る | ○ スマホ用 ゲームが出来る |
CAD | ○ | △ iPad用CADアプリもある iPadProでしか利用出来ない場合も | × |
絵を描く | △ 別途機材が必要 | ◎ Pencilとアプリで 液晶タブレットになる | × |
ノートをとる | × | ◎ Pencilとアプリで ノートがとれる | × |
※上記の表は、機種の性能等で当てはまらない場合もありますので、参考程度にお考えください。
境界線が分からなくなってきています
パソコンでもタブレットでもスマホでも出来るということが増えています。
また、やりたい事によって、それぞれ求められる性能にも違いが出てきます。この作業をするなら、パソコンならこれくらいの性能が必要、タブレットならこのくらい、スマホなら・・と、やりたいことで機種選びが必要になります。
現行のパソコンだと、意外と求められる性能が高めになってきているので、処理能力のないパソコンを買うぐらいならiPadなどを買う方が作業が早いものもあると思われます。
工夫次第で随分色々できる
iPadOS13以降、Appleもパソコンにしか出来なかった機能をiPadでも出来るようにOSに手を加えていっています。マウスを使えるようにしたり、USB周辺機器に一部対応できるようにしたりしていっています。
それにより、マジックキーボードが誕生し、ますますパソコンぽいiPadになってきました。
これから、iPadやMacがどう進化していくのか、非常に楽しみです。
iPadがパソコン代わりになるのかという記事を書いたことをキッカケにiPad用のBluetoothキーボード(中国製のかなり低価格のもの)をお試しに買ってみました。
ケースにはめると見た目は小型のモバイルノートみたいになり、結構面白い体験をしています。(非常に重たくiPadProが完全にパソコンを持ち運んでいる重さになりました)
iPadProなので、キーボード付きケースに入れると、パソコンの編集画面とあまり変わらない感じで使えます。
文章作成程度なら、これでも大丈夫かな?と思えます。ちょっと記事の修正をしたりする程度ならこれで十分です。
しばらく使ってみて、また記事を書いてみたいと思います。